プログラマーSEが過去のキャリアを捨てるハガレン流仕事術
「ハガレンは人生で大切な教訓を教えてくれた!」
私は、全漫画作品で鋼の錬金術師が一番好きと言えるくらいハガレン好きなんです(ネタバレあるのでこれからハガレン読む人はここから先は読まないでください)。
鋼の錬金術師(ハガレン)は荒川弘さん原作の漫画でアニメ化、映画化もされている大人気作品です。
この物語は主人公が過去失ったものを取り戻す姿を描いています。絶望的な現実を突きつけられても、あきらめず進み続ける姿に心を打たれます。
物語のクライマックスで主人公がある決断(システムをハックするチート行為のようなもの)をすることで問題を解決するのですが、これが私たちが仕事をしていく上でもとても参考になるんです。
一言で言うと「捨てる」ということです。詳しく紹介します。
Contents
「鋼の錬金術師」のあらすじ
主人公のエドと弟のアルは死んだ母親を生き返らせるために錬金術の禁忌である人体錬成(人間を組成させる魔術のようなもの)を試みたが、母が生き返ることはなかった。禁忌にふれた代償としてエドは片腕と片足を失った。弟のアルは全身を失った。
二人は失った体を取り戻す方法を探す旅に出た。
そこからなんやかんやあって、アルの魂が失われてしまった時にエドが再び人体錬成を行った。人体錬成をすることによって現れた錬金術の門番が言った。
「今度は何を代償にするんだ?」
エドは「こいつを持っていきな」と言って、錬金術の門を指さした。
錬金術の門を代償にしてアルの体を人体錬成することに成功した。その結果、エドは錬金術を使うことが出来なくなってしまった。
システムの外側に飛び出してこそ、問題は解決できる
錬金術の人体錬成を行う代償(材料)として錬金術の門を使うという裏技は、システムを内側から見ていたのでは思いつきません。システムの中から外へと飛び出し俯瞰して見ることによって、出来る業です。
エドは、錬金術の門を材料にして人体錬成する = 錬金術を捨てることによって、問題を解決したわけです。
これをITエンジニアのキャリアに当てはめて考えていきましょう。
いい大学に入って新卒カードを有効に使わないとオワタになる?
会社にも偏差値がある
2ちゃんねるの就職板には会社の就職偏差値一覧があります。
大学と同じで偏差値が高いほど、入社が難しく、入社できれば高い給料が貰えたり良い待遇が得られるというものです。
新卒でしか入れないホワイト企業
2ちゃんねるの会社偏差値一覧では、NTTコミュニケーションズという会社が「仕事はまったり楽で高給」という評価がなされています。いいなぁと思って中途採用について調べてみた所、募集していませんでした。優良企業は新卒で入った人が辞めないから中途採用の必要がないのでしょう。
これがよく言われている「新卒カードを有効に使う」ということなんです。
低階層の会社から上の階層の会社に転職するのは難しい
今からホワイト企業に入るのは難しいにしても、今より良い会社に入ろうと当時の私は考えていました。転職エージェントに「二次請けよりも一次請けのプライムベンダー、プログラミングのような下流工程よりも要件定義などの上流工程やプロジェクトマネージメントの仕事を目指しましょう」と言われたことをきっかけに、プライムベンダーに転職したいと考えていました。
しかし、私が所属している会社は二次請け以降の仕事をしている会社です。そんな私がプライムベンダーに転職することは簡単ではありませんでした。
たくさんの会社に応募しまくった結果、プライム案件もやってるけど大半は二次請けという会社に転職することになりました。
実際やってみて感じたのは、会社間の階層を上ることは難しいということです。まるでインドのカースト制度を連想してしまいます。
業績悪化で年収下がって焦って転職したらブラック企業に入ってしまった
転職後年収は伸びていったのですが、リーマンショックの影響で年収が70万円下がってしまいました。焦って転職したらその会社は「社員を洗脳して奴隷のように働かせようとする洗脳ブラック企業」だったんです。明らかに異常な会社だと感じて2か月半で辞めました。
2か月半で会社を辞めてしまうと経歴に傷がつきます。短期間で会社を辞めた人を無条件に雇いたくない会社があるため、転職活動は以前よりも厳しくなります。
そこで私は会社員として働くのをやめてフリーランスのエンジニアとして働くことにしました。
過去を捨てたら見えてくる
会社員の頃の私は転職エージェントが推奨するようにプログラミングより上流工程やプロジェクトマネジメント、二次請けより一次請けを目指して仕事をしていました。
業務システム開発では上流工程の仕事も経験し、業務システムでよく使われるサーバーサイドJavaの技術にも熟練していました。
しかし、それらを全て捨てて今はスマホゲーム開発の仕事をしています。
ゲーム開発は業務系とは全く異なる世界観
業務システム開発の世界でよく言われているキャリアパスはPG → SE → PL→ PMというものです。こんな話、ゲーム開発の世界では全く出てきません。
必要とされるのは、モノを作る力です。ポジションじゃないんです。本当の意味での能力なんです。思えば、業務システム開発のプロジェクトでは、何の仕事してるんだかよくわからないけど偉そうな人たちがたくさんいました。ポジションが重視される世界だからなのでしょう。
ゲーム開発はモノを作る世界です。能力が問われる、能力が評価されるまっとうな世界がそこにありました。
現状の外側に出ることで世界の見え方が変わる
過去のキャリアを捨てなかったら、今も業務系システム開発の仕事をしていて、ホワイト企業やプライムベンダーをうらやましがっていたと思います。
しかし、業務系システム開発のキャリアを捨てて、ゲーム開発に移ることで世界の見え方が変わりました。
- 「プログラミングより上流工程やプロジェクトマネジメントの方が価値がある」
- 「二次請けより一次請けで上流工程とマネジメントだけやってる会社の方が価値がある」
「勝手に言ってろ、バーカ!!」です。
それは業務システム開発の中だけの話なのです。このことに気づくために、過去のキャリアを捨てて、外に飛び出すこと必要だったんです。
飛び出したら見えました、新しい世界が!
ということで、あなたがもし今見ている世界に疑問を感じているなら、その世界を飛び出してみてください、きっと素晴らしい世界が見えてきます!